直近のGDPの伸び率も楽観的に報じられているが、私が日々コンタクトをしている中国のビジネスパーソン達にはそのような浮かれた感じは全くない。

むしろ、コロナと米中戦争の軋礫で国内経済の急降降下と投資欲の減退を嫌と言うほど感じている。

これに、 国内政策の大転換が拍車をかけ、誰もが将来に対して先の見えない不安を感じている。

それを証拠に冨裕屑を始め、中国では今や資産価値のある骨董品や高級酒、時計や貴金属市場が大いに活況である 。

一昔前まで中国人の資産投資は、1に不動産、2に不動産、 3、4 がなくて5 に不動産だったが、数年前から、中国政府はすでに投機目的の不動産売買を制限し、更に厳しい策を講じている。

また、不動産と同じく有望とされ活況を呈していた教育業界、特に児童教育の分野、 医療・ ウエルネスの分野にも政府補助金の遅れや、プロジェクト始動にストップがかかり、 大きな不安要素となっている。

不動産・教育・医療は中国の人々の生活にも直結している、皮肉にも、その分野の躍進と競争激化が、自ずと招いた中国自体の、負の局面は貧冨の拡大と地域格差を拡大させた。

正確に言えば、政策の大転換ではなく、大きな流れからの「揺り戻し」と言えよう。

実際に、表向きには、「中国の中長期発展を目指すためには、今こそ半導体やAlだ、スマート技術、新エネルギーだ。」等を含めた将来有望な分野への注力こそが、「社会均衡を取り戻すための施策だ」と、強行されているが、反面、これまで中国経済を牽引してきた前者の市場活力が弱まるのは必須とみている。

私の肌感覚からしても、対中向けの商品は、消費者にとって、コロナ前よりも、さらにコストパフォーマンスヘの意識が高まっており、商品の選定や販売体制など更に難度が増している 。

よって、今後は海外とのパートナーシップを持った企業との連携が重要性を増すことが予想される。人の往来が規制され商談や現地確認がなかなか出来にくいなか、いかにコストを抑え最大限の効果を得られるかは、現地に強いパイプをもち、その分野で全幅の信頼をおけるキーパーソンがいるかで決まる。

弊社はこれまでの人脈を生かし、日本のお客様向けに中国向けの販売サポート、輸入メーカー選定、品質管理を行なっている。今後も対中ビジネスに不安を抱えるお客様の影のサポート役として尽力していけたらと思う。

Scroll to Top
Scroll to Top